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論文書き開始

いよいよ論文を書き始めるとしましょう。

私の場合、最近は予め構想をまとめておいて、いきなりイントロダクションから書き始める様になってきました。そのあとで、実験、結果と考察、そして結論を書くという事になります。

しかし、このブログを読んで役に立てようという人は、大抵、論文を書いた経験が少ないはずです。いきなりイントロダクションを書くというのは難しいと思います。

先ずは実験と結果から書き始めるのが、お勧めのパターンです。特に、自然科学系の論文は英語で書く場合が多いのですが、日本人にはかなりハードルの高い仕事です。何を書くべきかで悩みながらさらに英語と格闘するのでは、筆が進むはずありません。書こうと思って机に向かったまま泊まってしまう状況になる事でしょう。そうならない様、実験項など書くべき事がハッキリしている項目から書き始めて、先ずは執筆のリズムをつかみましょう。

イントロダクションを書くというのは、実に大変な作業です。少なくともその事は認識しておくべきだと思います。

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by tosakam | 2005-06-23 23:13 | 論文作成

文献調査

研究を始める前、また、論文を書き始める際には文献調査が必要です。論文を書いている途中に、追加で文献を調べる事もよくあります。

大きな大学や研究機関なら、SciFinderやWeb of Science, Scopusの様な有料サービスをオンラインで使う事が出来ると思います。

SciFinderはキーワードに完全に当てはまる文献の他、同じ概念や似た様な言葉を含む文献まで取り込む事が出来ます。その後で色々なフィルターにより必要な文書を絞り込む事が出来ます。また、オンラインで公開されている文献にアクセスできる環境なら、直接その文献を読み込む事が出来ます。この点で、キーワード検索向きです。

Web of Scienceはキーワードから絞り込むには機能に不満を感じますが、引用文献の関連づけはしっかりしています。ある論文が他のどの論文に引用されているかを調べるには、こちらが便利です。ある事柄に対する有名な論文があり(例えば、DNAの二重らせんを始めて報告した論文など)、欲しい論文は少なくともそれを必ず引用しているはずだという場合には、非常に便利です。

Scopusは多機能を目指している様で、キーワードによる文献検索、引用文献の検索、さらに、オンラインの文書(ホームページなど)も含めた検索が出来ます。しかしながら、文献に関してはSciFinderの方が広範囲に網羅している様で、同じ検索をした場合ScopusよりもSciFinderの方が多くの文献を見つけます。

こうした有料の文献検索を利用できない組織の方も、あきらめないでください。近くの大学や国公立の図書館へ行けば、オンライン端末が置いてあり検索システムを利用できる場合が、かなりあります。先ずはお近くの図書館に問い合わせてみてください。

最後に、フリーの文献検索システムをご紹介します。Ingentaというシステムで、検索は無料で出来ますが文献の複写・配送を有料にする事で元を取っています。ページのデザインは時々変わるのでいつまで通用するか分かりませんが、2005年6月20日の時点では右上にある"Advanced Search"から検索するのをお勧めします。その際、ページ下の方にある"Show:"の項目で、”Fax/Ariel content"をチェックした方が多くの文献を表示してくれます。

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by tosakam | 2005-06-20 23:07 | 論文作成

書き始めるまで

実験データがある程度貯まっているとして、具体的に書き始めるまで、私は次のようなことを行っています。

1.論文として一番売りにするポイントを決めます
 前の記事にもある様に、これがハッキリしないと面白い論文になりません。逆に考えれば、ポイントが明確に出来ない時には実験データが足りないわけです。また、「こんな面白い事が主張できる」と思った時が、論文を書くタイミングです。

2.引用文献の再調査、実際に引用する文献のピックアップを行います
 研究を始める段階である程度下調べしているはずですが、論文を書く段階でもう一度見直すべきです。実際に自分で実験した後では、以前は読み取れなかった重要なポイントが見えてくる場合がかなりあります。また、調査すべき論文の範囲も拡がっているはずです。
 引用する可能性のある論文は、引用文献作成用のソフトに逐次登録するのがよいでしょう。引用文件数が多い時、こうしたソフトなしに書き直しをするとそれだけでかなり無駄な時間を使ってしまいます。有償のソフトはそれなりに機能も豊富で使いやすいのですが、私にはあまりピッタリしたのが見つかりませんでした。どうせピッタリと来ないのならフリーのソフトがよいと思い、今はRefというのを使っています。慣れるまで若干苦労しますが、今では手放せなくなっています。

3.使用する図や表を準備しながら、話の筋を大雑把に考えます
 主張すべきポイントが分かりやすい様な図や表を準備する事は、当然必要です。これらを準備しながら話の筋を考えると、整理されたデータから更に有意義な情報が読み取れる場合があります。また、逆に自分の思いこみに気づき、論理を修正する事も出来ます。

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by tosakam | 2005-06-13 23:51 | 論文作成

判断基準

研究の結果をまとめて論文を書く過程で、最も大切な事、それは読み手を意識する事です。

これは、どの雑誌に投稿するかという段階から考えなければ成りません。
論文の一番面白いポイントを意識するというのは、前回書きました。そのポイントが読者層にピッタリと当てはまる様な雑誌を選ぶべきです。

逆に、雑誌が決まると読者層もある程度具体的に想像できます。その読者が自分の論文をどの様に理解するか想像しながら、必要な補足をする必要があります。
例えば、有機物の物理的性質を解析する方法について、応用物理学系の雑誌に投稿するとしましょう。この雑誌の読者は有機化学、無機化学、物理学など広範囲にわたっているはずです。そういう人たちが読む論文に、説明なしに有機科学分野だけで通じる専門用語や概念を使って論文を書いても、あまり理解されない事でしょう。必然的に、適当な補足を入れながら論文を書く必要が出てきます。

同じ事が審査員にも当てはまるわけです。不幸にして審査員に理解されなかった場合には、「別の雑誌に投稿しなさい」あるいは「大幅な書き直しが必要」などの指示を受け、受理されません。ちょっとした気の持ち様で、そういった事態を避ける事が出来ます。

また、読者を意識して分かりやすく書いた論文は、同じ内容を分かり難く書くよりも多くの人が引用してくれる事でしょう。これは著者にとって知名度や評価の向上にもつながります。

論文の構成や「何を書くか」に迷った時には、この事を参考にしてください。

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by tosakam | 2005-06-09 22:50 | 論文作成

論文のポイント

前回、面白いとして受理される様な論文は
1. 価値ある新しい知識を与えてくれる
2. 意外性がある
3. 広範な情報から一般性を導く
のいずれかに当てはまるだろうと述べました。
この記事を読む様な方は、ほとんど1のパターンに当てはまると思います。

論文を書くとなると、その構想・あらすじを考えなければなりません。その時に、何が一番大切なポイントになるかを中心に考えるべきです。
上に述べた1の場合なら、「新しい知識」は何か?という事になります。

このポイントがはっきりすると、論文で何を書くかという骨組みは自動的に決まってきます。
イントロダクションでは過去の研究を総括して、これから述べるポイントが何故価値があり、どこが新しい知識なのかをはっきりとさせましょう。
実験項では、特に主張すべきポイントが信頼できると分かる様に、方法を記述しましょう。
そして、結果と考察で自分の主張を述べればよいのです。
結論としては、ポイントの部分がハッキリと分かったとすればよいわけです。

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by tosakam | 2005-06-07 23:18 | 論文作成

テーマの決定

通常、論文は投稿した先の雑誌編集者から審査員に送られ、掲載すべきかどうか判断されます。その際、根本的な判断基準は「掲載するだけの価値があるか」ということです。

これは、早い話が審査員にとって面白いかどうかということです。
では、どんな論文が面白いのでしょうか?私の様な自然科学の分野では、大体次のようにまとめられます。

1. 価値ある新しい知識を与えてくれる
いわゆる、新発見の報告などがこれに当てはまります。また、結晶構造解析の結果報告や物質の合成法、未報告の化学反応など、地道な作業の結果からもこうした論文は生まれます。ただし、既に報告されている反応条件とは少しだけ濃度や成分が異なるとかの、容易に類推できる結果は価値あるものと思われないでしょう。

2. 意外性がある
例えば定説となっている理論などがあり、みんながそれを信じていたのに、実験を行ってみるとそれを覆す結果が得られた・・・というような場合が当てはまります。ただし、審査員がその定説の信奉者だった場合、受理されるまでかなり苦労する事もあります。

3. 広範な情報から一般性を導く
主に「総論(レビュー)」に当てはまりますが、過去の研究を掘り返して統一的な物の見方を示すようにまとめた論文です。よくまとまった物を読むと、目から鱗の落ちたような感じになり、その分野の研究がスッキリと理解できます。

そこで、研究の開始段階からその研究のポイントが上で述べたどのパターンに当てはまるか、意識しておく事が重要です。ほとんどの場合は1をめざしてスタートする事と思いますが、途中で2のパターンに変わる事もあるでしょう。3のパターンで論文を書ける人は、この記事を読む必要はないと思います。

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by tosakam | 2005-06-06 17:52 | 論文作成

論文を書く

最近、学位論文の手伝いをしている事もあって、「論文を書く」と言う事について色々と考えています。この機会に、このテーマで話を進めてみようと思います。

さて、論文の書き方についてのホームページは既に幾つかあります。
お勧めなのは「若手研究者のお経」で、私も強く影響を受けました。
また、「論文作成の栄養素」には上に紹介したページを始め、論文作成に役立つ情報があるホームページが沢山紹介されています。

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by tosakam | 2005-06-06 17:13 | 論文作成