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テーマの決定

通常、論文は投稿した先の雑誌編集者から審査員に送られ、掲載すべきかどうか判断されます。その際、根本的な判断基準は「掲載するだけの価値があるか」ということです。

これは、早い話が審査員にとって面白いかどうかということです。
では、どんな論文が面白いのでしょうか?私の様な自然科学の分野では、大体次のようにまとめられます。

1. 価値ある新しい知識を与えてくれる
いわゆる、新発見の報告などがこれに当てはまります。また、結晶構造解析の結果報告や物質の合成法、未報告の化学反応など、地道な作業の結果からもこうした論文は生まれます。ただし、既に報告されている反応条件とは少しだけ濃度や成分が異なるとかの、容易に類推できる結果は価値あるものと思われないでしょう。

2. 意外性がある
例えば定説となっている理論などがあり、みんながそれを信じていたのに、実験を行ってみるとそれを覆す結果が得られた・・・というような場合が当てはまります。ただし、審査員がその定説の信奉者だった場合、受理されるまでかなり苦労する事もあります。

3. 広範な情報から一般性を導く
主に「総論(レビュー)」に当てはまりますが、過去の研究を掘り返して統一的な物の見方を示すようにまとめた論文です。よくまとまった物を読むと、目から鱗の落ちたような感じになり、その分野の研究がスッキリと理解できます。

そこで、研究の開始段階からその研究のポイントが上で述べたどのパターンに当てはまるか、意識しておく事が重要です。ほとんどの場合は1をめざしてスタートする事と思いますが、途中で2のパターンに変わる事もあるでしょう。3のパターンで論文を書ける人は、この記事を読む必要はないと思います。

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by tosakam | 2005-06-06 17:52 | 論文作成
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