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判断基準

研究の結果をまとめて論文を書く過程で、最も大切な事、それは読み手を意識する事です。

これは、どの雑誌に投稿するかという段階から考えなければ成りません。
論文の一番面白いポイントを意識するというのは、前回書きました。そのポイントが読者層にピッタリと当てはまる様な雑誌を選ぶべきです。

逆に、雑誌が決まると読者層もある程度具体的に想像できます。その読者が自分の論文をどの様に理解するか想像しながら、必要な補足をする必要があります。
例えば、有機物の物理的性質を解析する方法について、応用物理学系の雑誌に投稿するとしましょう。この雑誌の読者は有機化学、無機化学、物理学など広範囲にわたっているはずです。そういう人たちが読む論文に、説明なしに有機科学分野だけで通じる専門用語や概念を使って論文を書いても、あまり理解されない事でしょう。必然的に、適当な補足を入れながら論文を書く必要が出てきます。

同じ事が審査員にも当てはまるわけです。不幸にして審査員に理解されなかった場合には、「別の雑誌に投稿しなさい」あるいは「大幅な書き直しが必要」などの指示を受け、受理されません。ちょっとした気の持ち様で、そういった事態を避ける事が出来ます。

また、読者を意識して分かりやすく書いた論文は、同じ内容を分かり難く書くよりも多くの人が引用してくれる事でしょう。これは著者にとって知名度や評価の向上にもつながります。

論文の構成や「何を書くか」に迷った時には、この事を参考にしてください。

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by tosakam | 2005-06-09 22:50 | 論文作成
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